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実店舗の売上アップのカギとなる 「買上率」とは?
公開日:

「お店にお客様は来ているのになかなか売上につながらない…」とお悩みではありませんか?
それ、まさに買上率(購買率)が関係しているかもしれません。

「買上率って何?」という方も、「重要なのは知っているけど改善策が思いつかない…」という方も大丈夫です。
買上率の基本から計算方法、来店客数との関係、そして買上率を上げる具体策まで、できるだけ分かりやすく解説します。

1. 買上率とは? 〜なぜ重要なの?

買上率(かいあげりつ)とは、一言でいうと「お店に来たお客様のうち何人が実際に商品を買ってくれたか?」という割合のことです。

具体例で考えてみましょう

購買
100人のお客様がご来店され、そのうち20人がお買い物してくれた場合、買上率は 20% です。5人に1人が購入に至った計算になります。

買上率が高ければ高いほど、「お店に来たお客様をしっかり逃さず購入につなげられている」ことを意味します。

ではなぜこの数字がそんなに大事なのでしょうか?
理由はシンプル。買上率は売上と直結しているからです。

小売店の売上は次の公式で表されます

売上の公式
売上=来店客数×買上率×客単価

 • 来店が「何人」で (=来店客数)
 • その何割が「買ってくれて」 (=買上率)
 • さらに一人あたり「いくら」だったか (=客単価)

この3つの掛け算が売上と言えます。
買上率はその中心、売上公式の肝となる指標です。
もし「お客様がたくさん来ているのに売上が伸びない」なら、買上率が低い(来店はあるけど買わずに帰る人が多い)可能性があります。
逆に「お客様は少ないのに売上目標が達成できている」お店は、一人ひとりを確実に購買につなげる買上率の高いお店と言えます。

■ポイント
買上率が上がれば、同じ来店数でも購買客数が増えるので売上アップに直結します。今日から急にお客様の数(来店客数)を2倍に増やすのは難しくても、今来てくれているお客様のうち“あと一人でも多く買ってもらう”工夫なら現場でできそうですね?
だからこそ買上率改善は重要なんです。

2. 買上率はどう計算する? 〜まずは母数の「来店客数」を把握

買上率
 買上率の計算式はとってもシンプルです。

買上率(%)=買上客数÷来店客数×100

 • 買上客数 = 実際に購入したお客様の人数
 • 来店客数 = お店に入ったお客様の総数

先ほどの例で言えば、
買上客数20人 ÷ 来店客数100人 × 100 = 20% ですね。
「うちの店、昨日はレジ通したお客様50人だったから、来店客数は50人…?」 いえいえ、それは買上“客数”です。

買上“率”を出すには「そもそも何人が店に来たのか(来店客数・入店客数ともいいます)」が必要です。
その数字が100人なら買上率50%、200人なら25%の買上率になります。

■ポイント
重要なのは、この計算には「来店客数」という母数のデータが必要だということです。お店に何人来たか分からなければ、買上率を求めることもできません。当たり前ですが見落としがちなポイントです。

まずやるべきこと: 来店客数のカウント方法を決めましょう。

まずは、手動でも良いので「本日○人来店」と記録する習慣をつけ、母数をしっかり把握することがスタートです。

今日の来店○人・買上客○人・買上率○%という数字をまず出してみてください。
この「数字を見える化」するだけで、今まで漠然としていた課題がはっきりします。

たとえば「平日の来店数は少ないけど買上率は高めだな」「土日は人は来るけど買上率が低いかも?」など、データに気づきが現れます。
最初は概算でもOKです。カメラで来店数を自動カウントする手法もありますので、検討されるのもよいかもしれません。

■お役立ちブログ「人数カウンターの手法とは?」

センサとレポートのクラウドサービスがセットになった来店客数カウンター

3. 来店客数と買上率の関係

「売上 = 来店客数 × 買上率 × 客単価」という公式の通り、来店数と買上率は切っても切れない関係です。

来店客数が増えれば売上ポテンシャル増ですが…

来店客数ポテンシャル
お客様が増えるとそれだけ購入の機会が増えるのでありがたいことです。
ただし、来店が増えると買上率は相対的に変動することもあります。

例えば普段100人来店で20人お買い上げ(買上率20%)の店が、セールで200人来店し30人しか買わなかったとしたら、買上率は15%に下がります。
「お店は忙しかったけれど、いつもより買わない人が多かった」という状態ですね。
このように、来店客層やイベントなどによって買上率は上下します。

来店客数が少ない日は買上率が上がりがち?

来店客数と買上率

逆に閑散とした日に10人来店、そのうち5人が買ったという場合、買上率50%と高パフォーマンスに見えます。
でもこれは「たまたま今日は購買意欲の高いお客様ばかり来店した」だけかもしれません。

買上率を見るときは、必ずその背景にある来店数や状況も考慮しましょう。
数値は実際の肌感覚とセットで捉えることが大事です。

来店客数アップ vs 買上率アップ

来店客数アップ vs 買上率アップ
売上を伸ばすには本当は両方できるのが理想。
でも現場レベルですぐ取り組みやすいのは買上率の方かもしれません。

来店客数を増やすには広告・立地・プロモーションなど外部要因が大きく、店の努力だけで明日からドッと客足を増やすのは難しいですよね。
ところが、買上率ならスタッフの接客工夫や売場づくりで改善可能な余地が多いです。
この改善はお客様が好印象を持っていただくことにもつながり、ファン化へのきっかけになるかもしれません。

限られたリソースの中では、まず”来てくれているお客様を逃さずお買い上げいただく”ことに注力する戦略は有効と言えます。

数字で自店の課題を知る

自店の課題を知る
店舗によって課題は違います。
「いつも閑古鳥…まずは入店客数を増やすのが急務」な店もあれば、「入店は多いけど買わずに帰る人が多いので買上率改善が課題」な店もあります。

自店の来店数・買上率の傾向を把握すれば、優先する施策も見えてきます。ぜひ日々の数字チェックで自店の弱み強みを分析してみてください。

「入店は多いけど買わずに帰る人が多い」の一要因として、ここ最近では、店舗で実際に見てECサイトで購入というケースもあるかと思います。
実来店数と店舗の買上率に加えて、ECサイトでの購入動向と照らし合わすことで、リアル店舗ならではの顧客価値をつくることが重要になってくるかもしれません。

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まとめ:まずは現状把握、そしてトライ&検証

買上率について、基礎から対策まで色々と述べてきました。

 買上率

 = 来店客のうち購入した人の割合。お店の「接客力・売場力」を測る重要な指標です。
 売上公式(売上=客数×買上率×客単価)の中でも現場で改善しやすい要素なので注目しましょう。

• 計算には来店客数の把握が不可欠
 来店数を知らずにパーセンテージは出せません。
 人数カウントの仕組みを整え、日々の来店数・購入客数を把握するところから始めてください。

• 買上率を上げるポイント

 お客様に「買ってもいいかな」と思ってもらう工夫の積み重ねです。売場演出と接客の両輪でアプローチしましょう。

• データを活用してPDCA
 買上率は数字で成果が見える分、ゲーム感覚の改善がやりやすいです。
 「先週より〇ポイント上がった!」などモチベーションにもなります。ぜひスタッフで数値を共有し
 「こうしたら上がったね」「まだここ弱いね」とトライ&検証を回してみてください。

「数字は現状を映す鏡」

売上アップ

今は簡単にはモノが売れない時代と言われます。
それでもリアル店舗だからこそできる工夫があり、買上率向上の余地は必ず存在します。
買上率という鏡を上手に使いながら、お店の魅力アップを図っていきましょう。

売上アップへの第一歩、まずは今日の来店客数と買上率をチェックすることから始めてみてくださいね。
小さな気づきが明日の大きな成果につながるかもしれません。

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