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これから検討する方におすすめ
防犯カメラを人数カウントで使うのはあり?
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最近は、AI機能を搭載した防犯カメラでの人数カウントも増えてきましたが、専用のシステムとどこが違うのでしょうか。
今回は、お客様からよくいただく質問を参考にしながらそれぞれの違いを簡単にご説明します。
防犯カメラと人数カウントカメラ
Q. カメラって違いがあるんですか?
百貨店やショッピングセンター、ショッピングモールなどに設置されているカメラといっても大きく2種類あります。
■防犯カメラ
天井をみると、半円形状のカメラやフィクサー(出っ張っている棒です)で固定されたカメラを見たことはありますよね。
この防犯カメラは、斜めから人物映像を撮影しクラウドサーバーや館内管理室のローカルサーバーなどで記録します。
■人数カウントカメラ
あまり馴染みがないかもしれませんが、天井に埋め込まれていたり、天井面に設置されていたりします。
カメラが撮影する画像から人だけを認識し人数や行動データを計測しています。
この2種類のカメラから人数カウントの用途として採用をお考えいただくときのポイントはその「目的」なんです。
人数カウントの目的をはっきりさせる
Q. 人数カウントで使うならどんなカメラがいいんですか?
カメラの設置位置は、監視のために来館者の”顔”や”体”などをしっかりとらえることが大事なので、斜めから撮影するタイプが主流です。
顔を記録していなければ防犯にはなりせんし、目立つことで”見てるぞ”という心理的な威嚇効果もあります。
一方、「人数カウント」を目的とされているということは、すなわち来店状況の把握や、集客施策立案や効果測定などの「販促」「マーケティング」が目的でカメラを検討されているということですよね。
その場合には、何と言っても天井から真下に向かって撮影する人数カウントに特化した専用のカメラシステムをおすすめします。
マーケティング目的には精度が重要
Q. なぜ人数カウントカメラがマーケにおすすめなんですか?
はい、その理由は明らかでして、施設や店舗でマーケティングや日々の計数管理に関わるデータの場合に重要なのはデータの”精度”なんです。
AI機能を利用した防犯カメラでも人数カウントは可能ですが、斜めから撮影すると人が前後に連なっていたり人の後ろに別の人が入りこんだ場合、隠れている人を検知できないケースが起こるので、実際の来店数と差が出てしまいます。
人数カウント専用のカメラは、右の動画のように頭上のカメラから人の動きをとらえます。
人が連なっていても問題なくしっかり検出でき、入店・退店をカウントする精度は高くなります。
ですので、マーケティング目的なら精度重視の人数カウント専用カメラシステムがおすすめなんです。
カメラ精度の違いは管理指標に影響がでる!?
Q. 精度が低くても、ある程度わかれば、それでもいいんではないですか?
どのくらいのお客様に来店いただいたのか、そのうちどれくらいの方にお買い物していただいたのかを知るにも、この精度の違いが大きな影響を与えます。
例えば、実際の来店数100人とすると…
カメラの精度が「97%」の場合、来店数の測定値は「97人」
仮に精度「50%」のカメラだと、来店数の測定値は「50人」
この差は、運営指標となる来店客数や買上率など、日ごろの計数管理に違いがでるだけではなく、これらのデータを元に施策や結果分析をするとミスリードしてしまい、講じる改善策にずれが出てしまいます。
カメラによる人数カウント精度は重要、ということがご理解いただけましたでしょうか?
閲覧するアプリケーションも大切
Q. 防犯カメラの人数カウント機能のアプリケーションで十分ではないですか?
ただ、ここが大事な点なのですが、マーケティングに使う専用カメラの場合は、データ活用に必要な内容を網羅した業務特化型アプリケーションが提供されているということです。
時間、日、曜日、月、年など時系列での来客数データ、入店率、立寄り数や時間、入口別や館別、さらには複数店舗間での比較など、管理指標に基づく各種マーケティングデータの表示。
さらに施設のレイアウトに応じてたデータ表示がグラフや表で見やすくなっていたり、運用ノウハウを入れ込んでいるので”マーケティング目的”に活用しやすくなっています。
また、人数カウントカメラを別の場所に増設する場合でも、拡張を考慮している専用アプリなら同じシステムのままで運用ができますし、他に運用している基幹システムなどへのデータ連携も容易です。
このような柔軟なシステム拡張性に対応しているということも専用システムの利点ですね。
”エッジ処理”でプライバシー保護も万全
Q. カメラのプライバシー対策も気になります
防犯カメラは、”顔”を含めた映像の記録にこそ価値がありますので、防犯用途に限っての活用となります。
マーケティング用の人数カウントのカメラは、画像ではなく検出した人数カウントデータのみを通信するため、個人を特定できるプライバシー情報はサーバー側で一切記録されません。
マーケティングに活用するカメラの価値は顔ではなくデータですので、システムの利用者や来館されたお客様にも安心してご利用いただけます。
目的に応じた選定が大事
Q. つまり「防犯」と「マーケ」を一緒にしないほうがいいと?
このように、防犯重視のカメラなのか、来店数などのデータからマーケティング施策に活用する人数カウントカメラなのか、目的に応じて選ぶようにしていただければ、後々お困りになる事はないでしょう。
投資の世界では「卵を一つのかごに盛るな」という分散投資の重要性を表す言い回しがありますが、カメラでも同じ側面もあるかもしれません。
たしかに、1台のカメラで「防犯」、「マーケティング」の両方どちらもできれば導入時の費用面でのメリットはあるかもしれません。
しかし導入後の運用面と目的を考えた場合には、同じシステムを別の目的で共用することは、意思決定や、システム管理が複雑化してしまいます。
「防犯」は管理系の部門、「マーケティング」は営業、事業運営関連の部門、というようにそれぞれの目的に特化したカメラシステムを導入することが、組織的な運用面でもおすすめと言えるでしょうね。
人数カウントカメラの用途
Q. 専用には専用の良さがあるということですね。どんな用途で使われていますか?
人数カウントカメラのシステムは、百貨店・ショッピングセンターをはじめとする大型の商業施設、専門店・量販店・美術館・公共施設、空港、オフィスビルなど幅広い業種・施設でご利用されています。
Q. 商業施設ではどんな活用を?
- 来客数による集客力の評価
- 店内回遊データによるテナントミックス施策
- 来店客の滞在時間の変化
- 混雑改善のためのオペレーション
- 買上率の算出など
商業施設における来客数は、運営の中で最も重要な管理要素ですので、このデータを取得・分析して、集客施設でのさまざまな販促や広告などの施策の意思決定に活用されています。
結論: カメラは目的に応じて選定
カメラをマーケに使うなら精度の高い人数カウント専用のシステムがおすすめ
マーケティングに使う場合は、測定精度が分析評価に大きく影響する、ということを意識いただきベンダーにご相談いただくと、いざ運用する時に困ったことになるリスクは少なくなると思います。
防犯とマーケティングのカメラを別々にするのは一見、非効率な選択に思われがちですが、実運用を想定すると合理的な判断だとご理解いただけたのではないでしょうか?