すべての館内動線を把握する人数カウンターにより
仮説から検証、改善のサイクルが可能に
仮説から検証、改善のサイクルが可能に
JR東日本新潟シティクリエイト株式会社様
2024年4月にリニューアルオープンしたJR新潟駅直結の大型商業施設「CoCoLo新潟」では、顧客動向の可視化を目的として客数情報サービス「PASSER-CLOUD(パッサークラウド)」、インストア可視化サービス「TRASTREAM(トラストリーム)」をご採用いただきました。
導入の狙いや活用について、JR東日本新潟シティクリエイト株式会社 CoCoLo新潟店 営業部課長の阿部健明様にお話を伺いました。
CoCoLo新潟:公式サイト
導入の狙いや活用について、JR東日本新潟シティクリエイト株式会社 CoCoLo新潟店 営業部課長の阿部健明様にお話を伺いました。
CoCoLo新潟:公式サイト
駅ビルを超越した“新潟の玄関口”として 2024年春に大幅リニューアル
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貴社の概要と展開している商業施設について教えてください。
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JR東日本新潟シティクリエイト株式会社では、新潟県内をメインに、駅ビル「CoCoLo湯沢・長岡・新潟」「ホテルメッツ長岡・新潟」「ファミリーオ佐渡相川」などを中心とした事業を展開しています。
その中で、行政との一体事業である新潟駅前開発・高架化工事に合わせてCoCoLo新潟の全館リニューアル計画を進めました。
従来はお土産売り場を中心とした90店舗ほどの規模だったところから、県内初出店となる店舗も多数誘致し、約170店舗を擁する商業施設として2024年4月にグランドオープンしました。
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リニューアルのタイミングで、当社の客数情報サービス「PASSER-CLOUD(パッサークラウド)」、インストア可視化サービス「TRASTREAM(トラストリーム)」を導入していただきました。
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「来館者数を正確に把握し、顧客動向を分析したい」というのは、運営に関わる人なら誰しもが望むことでしょう。
私たちも、開業準備の段階から客数情報システムの導入を前提とした運営やショップサポートを念頭に置いていました。
既存店・新規店含め170店舗という規模の中でも、全てのテナントさんの売上にもコミットし、貢献するための強固な運営体制の構築が特に必要で、そのために高精度・高機能な客数情報システムの導入は不可欠でした。
それも防犯カメラを兼ねるような簡易的なものではなく、複数の入口やエリアごとの人の流れを正確に測定でき、システム上でデータ管理が可能なもの、マーケティングにおいても役立てられるものを求めていました。
こういった条件に合うのが技研トラステムの製品でした。
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アプリケーションの使い勝手はいかがでしょうか?
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開業を見据えて、多くの当社社員がJR東日本グループの商業施設に出向し施設運営の知見を得てきました。
これらの施設でも技研トラステムの客数情報システムが使用されており、帳票アプリケーションの使い勝手の良さと精度の安定感は出向経験者のお墨付きでした。
今回、JR東日本グループの商業施設として初めてクラウド型の客数情報システムを導入したということで、当施設としても新しい挑戦をしていく姿勢の表れにもなると思います。
「CoCoLo新潟」リニューアル後の来館者数分析と 今後の運営改善への期待
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導入後に明らかになったデータや数値はありますか。
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CoCoLo新潟のリニューアル前にセグメンテーションやターゲティング、ポジショニングといったところで様々な想定はしていたものの、未知数な部分も多かったというのが本音です。
しかし、ふたを開けて1日の来館者数を見ると、週末はのべ10万人以上/日という想定外の数字が明らかになりました。
ちなみにJR新潟駅の乗降者数が1日7万人ほどなので、私たちの施設が単なる通過点ではなく、多くの方々の目的地になっているということを実感しました。
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「CoCoLo新潟」では、館内の出入口すべての箇所、主要な動線、吹き抜け広場の計40カ所に設置いただいています。
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当施設は館内の構造がやや複雑で、東館と西館を挟み、1階にはバスターミナル、2階に駅の改札があり、売場が駅舎内6箇所に分散しています。
出入口や各エリアへの動線も多いため、お客様がどの入口から入って、どこから出ていくのか?という流れや、
エリアごとの混雑状況、回遊状況などを知りたい、と考えていたので、まさに欲しかった情報がリアルタイムに、そして正確に把握できています。
各出入口や館内に設置したことでお客様の動線が明らかになったので、全か所への導入決断は当館において大正解でした。
今後の施設運営においても大きなアドバンテージになると感じています。
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ご活用いただく中で、新たなインサイトや発見はございましたか?
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そうですね、お客様の流入導線に関して興味深い発見がいくつかあります。
当初、「ここからお客様の流入が主になるであろう」と想定していた入口で開店時のお出迎えをしていました。ところが、データを確認すると、開店時は全く別の入口からの来館者が多いという事実が判明しました。
また、「リニューアルしたエリアと既存エリアを繋ぐ動線はあまり活用されないかもしれない」と不安視していた場所のデータを見ると、他のエリアの出入口と比較しても際立って多く、自動ドアが閉まるタイミングがないほどでした。これにも驚きましたね。
このデータから既存エリアのリーシング時にもテナント様に安心していただけるご提案ができます。
(※技研トラステムより:取材後にその場所を確認しましたが、平日でもかなりの往来がありました!)
いずれも客数情報システムがなければ把握できなかった点ですし、当初の肌感覚での予測と異なり、実データが明確なエビデンスを示してくれました。
お客様の動線や滞留しやすいエリアがデータで可視化されるので、各入口における接客対応や案内配置、設備の最適化など運営改善に向けた検討が進められそうです。
地域のポテンシャルや集客力を把握し、 新たなにぎわいの創出を図る
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駅や地域との連携はいかがでしょうか。
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何よりも、新潟駅周辺エリアの持つ潜在的な集客力を数値で把握することができたのは収穫でした。
新潟市の人口が約80万人、新潟駅の乗降者数が1日7万人という中で、CoCoLo新潟の来館者数が1日のべ5万人~10万人というのは非常にインパクトのある数字です。観光やビジネスでいらっしゃるお客様に加えて、足元商圏のお客様が実に多く、開業時は、JRの在来線は2割増、バスも1割増になった日もあったと聞いております。従来の駅ビルという枠を超えて、地域の中核的な商業施設としての役割を果たしていることを示しています。
また、CoCoLo新潟の一階にはにぎわい空間を生むため、『発信』『滞在』『交流』の3つの機能を持つ「ガタリウム」という吹き抜けエリアがあるのですが、ここではJRや地域のイベントが開催されます。
主催者側から集客数や通行量を求められることもあるので、その際には人数データをご提供しています。
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(※技研トラステムより:「ガタリウム」では、広場の利用状況やにぎわい状況が把握できる「インストア可視化サービス TRASTREAM(トラストリーム)」を設置しています。具体的には、広場を4分割に区切り「エリア入退数」や「滞留人数」「滞留時間」を計測しています。今回は、イベント時の効果検証に利用されることを目的に導入いただきました。)
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今後、客数データを用いてどのような施設運営を行っていく展望でしょうか。
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開業から今までに得られたデータが実に興味深く、手ごたえを感じています。
その中から課題も当然浮き彫りになってきましたので、これからはその課題を解決するフェーズとなりますね。これらを解決するための糸口も日々の来客数データの中にあると思っています。
また、繁忙期である夏休み、フジロックフェスティバル、花火大会、お盆の帰省といったイベントが一段落して、客数も定常化され落ち着いてくる今こそ、CoCoLo新潟が地域にとって今後どのような役割を果たしていくのかを考える時期でもあると思うので、客数情報システムのデータと向き合いながら次の手を考えたいですね。
新潟駅周辺は、駅前広場の整備も進んでおり、さらなる拠点性向上が期待されています。
我々もこの新たなにぎわいの創出に、より一層地域社会に貢献していきたいと思っています。
お忙しい中、当社サービスのご活用についてお聞かせいただき、誠にありがとうございました。