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店前通行量とは?
入店率/買上率の計算式とVMD効果測定まで解説

(店舗前通行人数と入店率の計測)
公開日:

店前通行量とは何か?

店前通行量の定義

この記事で説明する店前通行量とは、店舗の前やリースラインの前を通過する人々の数を指します。

このデータは、店舗の立地条件や集客力を評価するための重要な情報となります。

例えば、ショッピングモールの出入り口に近いような場所では、店前通行量が高いことが期待されます。

店前通行量のデータは、小売店のマーケティング戦略立案において非常に重要な役割を果たします。

店前通行量の重要性

店前通行量は、潜在的な顧客数を示すため、店舗への来店客数、ひいては売り上げに直結します。
通行量が多いということは、より多くの顧客を引き寄せるチャンスが多いということです。

店前通行量のデータを定量的に計測することは、店頭ディスプレイの効果測定や広告キャンペーンの効果検証にも利用可能で、VMD(ビジュアルマーチャンダイジング)、マーケティング戦略の効果検証のための基礎となるデータとして活用されています。

店前通行量の評価視点

• 立地評価    :館内導線・入口近接度・視認性(視界の抜け)との相関
• キャンペーン評価:期間前後の入店率差分で「集客率(=入店率)」の改善を定量化
• VMD効果測定       :ウィンドウ変更や什器配置転換前後での「店前通行量」→「入店人数」→「買上率」の一連の変化を検証
• 複数店舗比較  :同業態・同規模の店舗で標準化した指標(例:時間帯指数、曜日指数)を用いて比較

入店率を把握する

入店率を把握する
入店率 = 店舗前を通行する人の中で実際に来店した割合(%)
入店率とは、店舗前を通行する人の中で実際に来店した割合を算出した指標です。

これはどれだけの店前通行者(潜在客)を来店客(お客様)に変えることができたかということを示します。

この入店率を計算するには、人数カウントシステムによる2 つの重要なデータが必要です。

入店率の計算方法

入店率の計算式は

入店率(%) = (入店人数 / 店舗前を通行する人数) × 100 つまり、
1,000人の通行量の内、100人が入店した場合、入店率は10%となります。

入店率が高いということは、広告・販促キャンペーンなどの施策効果や、店舗の立地、商品展開、ディスプレイが人を引き付けるのに効果的であることを示しています。

一方、入店率が低い場合は、販促施策、店頭ディスプレイや店舗レイアウト(動線)を含めたVMD改善の余地がある可能性があります。

店前通行量の計測方法

計測ツールと技術

通行人数カウントカメラ
【参考】人数カウント専用のカメラによるカウントの様子

店前通行量を計測するには、カメラやセンサなどの技術が利用されます。

これらのツールは、正確なデータ収集を可能にし、リアルタイムでの分析を可能にします。

高精度なカメラセンサを利用したシステムでは、自動で通行人の数を正確にカウントするので、定量的なデータ収集が行えます。

もちろん通行人数だけではなく、店舗への来店客数も正確にカウントすることで買上率の算出にも利用できる非常に便利なツールです。

24時間365日自動で計測が可能なので、取得したデータを指標としてお店づくりに活かすことができます。

計測結果の分析方法

収集したデータは、専用のソフトウェアを用いて分析できます。

これにより、通行量の曜日ごとのトレンドやパターン、昨年対比や昨週対比など過去のデータとの比較を行いVMDやプロモーション戦略の立案に役立てることができます。

例えば、週末や祝日には通行量が増加する傾向があるため、そのデータを基にプロモーションを計画することが可能になります。

さらに、データ分析により、通行量の季節変動や天候の影響なども把握することができます。

店前通行量のデータ活用法

買上率を計算

来店客数のデータと実際に購入した人数(レジ客数)から買上率を計算できます。

買上率とはすなわち来店して購入にまで至ったお客様の割合。
専門店では10%~20%前後が一般的な買上率といわれています。
逆にいうと80%~90%のお客様は買わなかったお客様ということになります。

店舗前から店内、そして購買までの人数を把握することで店舗づくりの改善点が可視化されていきます。

入店率による店舗の集客力の評価

雨で入店客数は減ったが入店率は問題なかった
来店人数を把握し、買上率を計算できたあとに気になるのが、お店の前から店内にどれくらい集客できているかということだと思います。
お店の前の通行人から来店客にどれくらいコンバージョンができているかの指標となるのが、入店率です。
入店率は店舗の誘因力、すなわち店頭ディスプレイやVMDの力を可視化してくれます。

入店人数という数だけで店舗の集客を評価した場合、天候などの外部要因で来客数が少なかった日には店舗のパフォーマンスが下がったように、見えてしまいます。

そこで「入店率」という指標で集客を評価していただくことで、店舗の誘因力を正確に評価することができます。

VMD(ビジュアルマーチャンダイジング)の効果検証

通行量データは、店舗ディスプレイ・レイアウト変更効果を検証の基礎データとすることができます。

店舗の外観や什器・内装の変更がどれくらい通行人の関心を引き、どれくらい「店前通行量」→「入店人数」を増やす効果があったかを数値で確かめることができます。

例えば、季節に合わせたディスプレイや装飾を施すことや定期的なリニューアルの効果を継続的に計測することで、より魅力的な店舗づくりが可能になります。

ヒント

チェーン展開をされている店舗では、「入店率」や「買上率」の向上につながる“勝ちパターン”を見つけ出し、それを横展開することで、全店舗の魅力と売上の底上げを目指しましょう。

入店カウンターのメリット

他には専門店ではどのような活用を?

専門店での活用
人数カウントカメラによる精度の高い人数データは

まとめ

  • 店前通行量は店舗の集客ポテンシャルを示す基礎データ
  • 売上 = 「店前通行量」×「入店率」×「買上率」×「客単価」に分解し、どこに改善余地があるかを特定
  • VMD/プロモーションの効果は入店率・買上率で評価、検証
  • 来店計測ツール・トラフィックカウンターを活用し、継続的な店舗パフォーマンスの可視化と運用改善を継続

専門店における来客数は、運営の中で重要な管理要素です。人流データによる「仮説→実行→検証」で継続的な売上改善が実現可能になります。

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