新商業施設が創出する広島駅エリアの賑わいと価値
トラフィックデータの可視化でエリア活性を推進

中国SC開発株式会社様
ミナモアロゴ
2025年3月に開業した広島駅直結の新ショッピングセンター「minamoa(以下、ミナモア)」。開業と同時に技研トラステムの人数カウントシステムを導入いただき、正確な客数データ取得、混雑対策にお役立ていただいております。
中国SC開発株式会社の神田和秀様、伊藤洋輔様に、客数センサ導入の経緯から具体的な活用事例、今後の展望までお話を伺いました。


中国SC開発株式会社 minamoa:公式サイト

駅の再開発に伴う人流の変化を 高精度の専用センサで測定

  • ミナモア開業の背景について教えてください。

    「ミナモ(水面)」 「ミナ(みんな)」 「モア(もっと)」 をキーワードに計画された広島新駅ビル商業施設「minamoa(ミナモア)」
    伊藤様 1960年に開業した広島駅ビルの再開発事業として、2025年3月に開業いたしました。
    アパレル、飲食、コト体験など幅広いラインナップで、駅利用者だけではなく地域の方の日常使い、観光利用まで楽しんでいただきながら、新しい情報を発信していく拠点にしたいという狙いがあります。
    中四国初進出のテナント様も多く、おかげさまで、1日当たりの平均で平日は7万~8万人、土日は10万人超と想定を上回るかたに来館いただいています。

    神田様 一方、当社は同じく広島駅で2017年から商業施設「ekie(以下、エキエ)」を運営しています。
    こちらは駅構内の自由通路に面し、飲食やお土産の店舗が中心。主に駅利用者・旅行者の方をターゲットとしており、ミナモアとは差別化しながらも広島駅から街の中心部へ新たな人の流れを生み出しています。
  • 客数センサを導入されたきっかけを教えてください。

    高精度の専用センサを入口や通路の天井に設置
    通行する人々をリアルタイム計測する
    神田様 弊社では2017年のエキエ開業時から技研トラステム様の客数センサを導入しています。
    斜めからのカメラではなく、天井から真下をみて来館者を計測する方式なので、同時に多くの方の入退館があっても確実に計測できています。
    防犯カメラなどに搭載されている人数計測機能でカウントする方法もありますが、正確性に欠けてしまっては意味がありません。
    その精度の高さや安定性、そして何よりサポート体制に信頼を置いていまいしたので、ミナモアへも導入する決定に至りました。
    ミナモアとエキエにて同一のシステムで全館計測ができることも重要でした。

JR、路面電車、駐車場など 入口別入店客数の正確な把握を実現

  • ミナモアにはとても多くの来館動線があるように思います。

    路面電車の駅ビル乗り入れによりミナモアのにぎわいが加速している
    伊藤様 再開発に伴い、路面電車が2025年8月から広島駅の駅ビル2階に乗り入れ、ミナモアの前に停車する形になりました。

    ここからの入館動線に加え、1階入口、他には駐車場連結の入口など多数あります。
    その入口ごとに正確な流入客数や滞留などを把握し、後々の施策に活かしたい、という目的もあったので、
    その意味でも技研トラステム様のハード・ソフトを活用したいと考えました。
  • 開業時から現在に至るまで、客数データをどのように活用されましたか。

      中国SC開発株式会社
       営業本部 営業部 営業統括グループ 兼 販売促進グループ 伊藤洋輔様(左)
       営業本部 営業部 企画グループ グループ長 兼 経営企画部 経営企画課 神田和秀様(右)
    伊藤様 開業前の内覧会を経てグランドオープンに至ったのですが、開業時はかなり多くのお客様にご来館いただけた盛況ぶりでした。その際も客数センサのデータをリアルタイムに確認しながら、館内の入場者数を適切にコントロールしました。
    このおかげで安全かつスムーズにお客様をお招きできたと思います。この時のノウハウを活かし、現在も客数データを活用して効率的な人員配置を行っています。

    神田様 開業から数か月経過した現在、テナント様から入館客数の推移等に関するご質問をいただくことが増えています。
    そのような時、客数データに基づいて具体的な情報をお伝えできることがテナントコミュニケーションにおいても役立っていることを実感しています。

  • ミナモアの開業で変化はありましたでしょうか?
    ミナモアとエキエを繋ぐ動線での計測により、両館の相互流入を把握
    伊藤様 開業前は、「ミナモアができることでエキエの集客が減少するのではないか」という懸念もありました。
    しかし、客数センサでミナモアとエキエそれぞれの入館客数を確認したところ、エキエの入館客数は前年と同様に推移しながらも、むしろ駅全体としては相乗効果が生まれていました。
    ミナモアの開業によってエリアの集客力が向上していると考えています。

    ちなみに、中国新聞社様の2025年広島市広域商圏調査によると、買い物で利用するエリアとして、「広島駅周辺」が8.4%と前回調査から3.7ポイント上昇し、上昇幅は全地区で最大でした。

    開業から半年以上が経過した現在も、足元商圏だけでなく中域・広域から多くの方にご来館いただいており、広島駅が「目的地」として認知されてきていることを実感しています。
     

広島駅の未来を見据えながら 地域とともに成長する

  • 今後、どのようなデータ活用を計画されていますか。

    伊藤様 現在は時間帯別・曜日別の来館傾向の分析ができる状態にありますが、開業後1年のデータをしっかりと蓄積することで、季節別の分析も可能になります。社内の各部署とも連携しながら、より高度なデータ分析体制の構築を進めていこうと考えています。

    神田様 
    ミナモアを拠点に近隣の市街地にも足を延ばしていただけばエリア全体の活気もさらに高まると期待を寄せています。来館者の分析を深めるためにも今後さらにデータ活用の幅を広げていきたいです。
  • 最後に、今後のミナモアの展望についてお聞かせください。

    伊藤様 ミナモアは、地元の皆様に長く愛していただき、また広島駅を「目的地」としても選んでいただける場所を目指しています。そのためには、地元の皆様に日常的にご利用いただきながら、観光客の方々にも広島の魅力を発信していく役割を担っていきたいですね。客数データは、安全管理、店舗支援、営業戦略、そして地域連携など、施設運営の基盤となる重要な情報です。

    神田様 技研トラステムさんには、導入時から丁寧なサポートをいただいており大変感謝しています。
    今後も新しい技術や分析手法について引き続きご提案をいただきながら、さまざまな場面でデータを活用し、広島駅エリア、そして広島全体の価値向上に貢献していくことができたら幸いです。
 お忙しい中、当社サービスのご活用についてお聞かせいただき、誠にありがとうございました。

  (取材後記)
  中国SC開発株式会社様のインタビューのあとミナモアの屋上に。
  大階段からの広島の眺めと「ソラモア広場」の大空間は、まさに市民の癒しの天空公園。一見の価値ありです。
  時間を忘れてしまうような素晴らしい場所でした。

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