地域の方に愛され続ける施設でいるために
~ データが導く、施設価値の最大化
~ データが導く、施設価値の最大化
東急不動産SCマネジメント株式会社様

神奈川県・横浜市のショッピングセンター「ルララこうほく」では、2024年に客数情報システムと顧客属性分析システムをご採用いただき、同施設の運営を受託している東急不動産SCマネジメント株式会社にて、データドリブンでの施設運営業務や販売促進企画に活用されています。
自社保有ではない施設のプロパティマネジメント(以下PM)における活用方法について、東急不動産SCマネジメント株式会社 運営推進本部の古谷実結様にお話を伺いました。
ルララこうほく:公式サイト
東急不動産SCマネジメント:公式サイト
自社保有ではない施設のプロパティマネジメント(以下PM)における活用方法について、東急不動産SCマネジメント株式会社 運営推進本部の古谷実結様にお話を伺いました。
ルララこうほく:公式サイト
東急不動産SCマネジメント:公式サイト
商業施設激戦エリアで、PM受託物件の施設価値向上を目指す
-
貴社の事業概要と、担当業務についてお聞かせください。
-
「ルララこうほく」。家電量販店「ヤマダデンキ」やスーパーマーケット「オーケー」を中心に物販・飲食・サービスなど多様なテナントが出店。日常使いしやすい施設構成になっている。 古谷様 弊社は東急不動産ホールディングスグループの一員として、商業施設を中心に企画・運営・管理を行っています。
私の担当は東急グループ外のオーナー様が保有する商業施設のPM業務受託で、複数施設を巡回しながら運営管理全般を行っています。担当している「ルララこうほく」は、2008年に開業、2012年より当社がPM業務を受託し10年以上PMとして関わっている商業施設です。
-
「ルララこうほく」を取り巻く環境の特徴・状況を教えてください。
-
東急不動産SCマネジメント株式会社 運営推進本部 古谷実結様 古谷様 「ルララこうほく」が立地する港北ニュータウンエリアは、駅を中心とした約1km範囲内だけで約10もの大型商業施設があるという他に類を見ない商業激戦区を形成しています。
テナントミックスやキーテナントの選定などによる差別化の必要性が高い商圏となっているといえます。
「ルララこうほく」は、子ども向けあそび場や各種教室が多く、土日を中心にお子様向けイベントを定例実施するなど、小さなお子様連れのファミリーをターゲットとした施設運営をしてきました。
データの可視化が、オーナー、テナント、地域との関係強化に寄与
-
今回、客数計測システムと属性分析システムを新規導入いただきました。
-
古谷様 きっかけは、施設オーナー様から「施設の集客力を定量的に把握したい」というご要望をいただいたことです。それまでは各テナントが把握されているレジ客数のみが施設データの全てだったので、私たちPMとしても施策の効果や客数の実態が把握できないことに課題を感じていました。
人数カウントシステムの選定にあたっては、弊社が運営する多くの管理施設で技研トラステムさんのシステムを導入していたという背景があります。その実績の中で、人数カウントの正確性や充実したサポート体制、設置工事や保守も含む明瞭な料金体系など、数多くの点で社内評価が高かったことから、自信を持って施設オーナー様にご提案させていただきました。
(参考:技研トラステムが選ばれる3つの理由とは)

-
システム選定にあたり、当社をご推薦いただけたことを大変嬉しく思います。
-
古谷様 やや個人的な話になってしまうのですが、私が以前担当していた別の商業施設では、販促業務にあたり人数カウントシステムの数字とにらめっこし、データを紐解きながら販促施策の予測や効果測定、改善を行ってきました。
それ以来、担当施設においてパッサーは欠かせない存在として、まさに二人三脚で業務に向き合ってきました(笑)。
クラウドシステムであるメリットも大きかったです。
「ルララこうほく」はPMが常駐している施設ではないため、クラウドならいつでもどこでも遠隔で様々な情報を把握することができます。
-
導入後、現状の手応えや発見を教えてください。
-
古谷様 人数カウントシステムと顧客属性分析システムによって、平日と休日で1万人ほどの来館者数の差があることや、高齢者層の来館が多いことなど、これまでの体感とは異なる実態が見えてきました。
特に興味深かったのは、センター北駅方面入口からご来館されるお客様の存在です。当初は車での来館がメインと考えていましたが、平日はセンター北駅方面入口からの入館者が予想以上に多いことがデータから判明しました。
この入館者数は徒歩か自転車でご利用されているお客様と考えられるため、メインエントランスや駐車場動線での販促告知を重視してきた我々にとって、ベースから考え直す必要のある結果だと考えています。
また、属性分析により、例えば「土曜日に60歳以上男性が100人以上来館している」といった具体的な数値が把握できるようになりました。
こうしたデータから、「ルララこうほく」が主なターゲットとしていた小さなお子様連れのファミリー世代に加え、新たなターゲット層を開拓できる可能性も高いとみています。
(右)1F駐車場からの来館者属性計測でお客様層の実態が見えてきた

人数カウント・属性分析システムを導入してまだ数か月程度ではありますが、日常のシーンでどのように使われているのか、どこにどんな広告を出すことで効果が最大化されるのか…そんな想像をしながら、データをヒントに戦略立案と効果測定をしていこうとしている最中です。
施設オーナーに対しても、イベントの企画や効果測定において来館者数や属性を定量的に示すことで、より説得力のある提案が可能になっています。
各方面でのコミュニケーションが強化され、施設価値向上に向けた取り組みが着実に進展している手ごたえを感じています。
(左)1Fに設置されているクラウド客数情報サービス「パッサークラウド」
施設オーナーに対しても、イベントの企画や効果測定において来館者数や属性を定量的に示すことで、より説得力のある提案が可能になっています。
各方面でのコミュニケーションが強化され、施設価値向上に向けた取り組みが着実に進展している手ごたえを感じています。
(左)1Fに設置されているクラウド客数情報サービス「パッサークラウド」
-
データの利活用において、エピソードがあれば教えてください。
-
「IWPRO-CROUD」画面例 ※画像はイメージです 古谷様 毎月開催している店長会で来館者数や属性データを共有するようになったのですが、皆さん毎月メモをされており、「今月は施設全体の来館者数が減少している中で自店の売上が維持できている」など、数字に関心を寄せていただいて各店舗での施策にも活用いただいています。
施設の取り組みをテナントさまにも役立てていただけることは、とてもうれしく思います。
また、データは地域連携における情報共有の一つにもなっています。当施設は近隣商業施設による連合会に加盟し、これまでもエリア全体の活性化に取り組んできました。
パッサーのデータはこうした集まりの場でも円滑なコミュニケーションや意識合わせ、エリア価値向上のための施策検討につながっている実感があります。
関わる全ての人にとってよりよい商業施設となるよう、データ活用で寄り添う
-
今後の展望をお聞かせください。
-
第4土曜日の定例イベントとなっているワークショップ。
通常日との来館者数の変化や属性構成の分析データが企画のPDCAに活かされている。古谷様 エリア内に多くの商業施設がある中で、「ルララこうほく」独自の価値を提供していく必要があります。
データを可視化したことで、高齢者層のご来館が多いという事実を改めて実感し、その意味でのジャストアイデアですが、朝活イベントやヨガ教室など、新たな企画の可能性が見えてきました。
また、現在は1階の駐車場入口に属性分析のセンサを設置していますが、他の入口やイベント会場となる4階にも設置を検討したいと考えています。
入口ごとの客層の違いや、フロア間の回遊性を把握することで、より効果的な販促施策の立案に役立てられそうです。イベントの性格により開催フロアを変えることでの館内回遊の活性化も図れそうです。
一方で、天候による来館者数の変動分析など、まだ活用できていない要素もあります。特に雨天時の利用動向の把握は、当施設の新たな価値を発見できるのではないかと考えています。
-
PMを担当する立場として、データ活用の意義をどのように捉えていますか。
-
古谷様 商業施設において販促施策は欠かせないものです。
一方、効果測定が曖昧なまま、具体的な数値に基づく検証ができている例は少ないのが実情だとも感じます。その点において、数字は客観的な指標となります。
特に外部オーナー様の施設では、販促施策の効果を定量的に示す必要があります。
“データ重視”の運営というと、どこか温かみに欠けているような印象になってしまうかもしれません。しかし、データを活用して地域の方に愛される施設づくりを目指すことは、テナント満足度の向上や投資効果の追求と相反するものではありません。
商業施設には多くのお客様にとって思い出の場所となるような、大きな可能性が秘められています。
今後もお客様、テナント様、オーナー様の期待に応えながら、より効果的な施設運営を推進していきたいです。
お忙しい中、当社サービスのご活用についてお聞かせいただき、誠にありがとうございました。